個人向け国債自体は、良い選択肢だと思う。

「値動きする投資は怖いけど、銀行に預けておくだけではもったいない」と感じていませんか?そういった方にとって、近年注目されているのが「個人向け国債」です。

資産運用というと、投資信託や変額保険を提案されることが多いかと思います。ですが、最近では値動きのある商品に対して懸念を感じている人向けに『個人向け国債』を提案する金融機関もでてきたようです。

本来、金融機関からすれば、収益性の低い個人向け国債の販売よりも、投資信託や生命保険などを販売して収益を得たいというのが今までの常識でもあったので、ちょっと意外でした。

確かに個人向け国債なら、発行体が日本国なので、デフォルトになるリスクが小さく、比較的安心して投資することができます。

商品性もとても優れていて、元本毀損のリスクがほとんどなく、リターンも定期預金のような他の似たような商品と比較しても決して悪いものでもなく、なおかつ中途換金もでき流動性も申し分ない。

他の金融商品と比較しても、これほど好条件で発行されているものは少ないと言えます。

また、最近の市場金利の上昇により、個人向け国債「変動10年」の最新の利回りは1.06%(2025年9月時点)まで上昇し、その魅力はさらに高まっています。

「金融商品の値動きが嫌」という事であれば、個人向け国債は、十分以上に検討する価値がある商品だと思います。

インフレのリスクを気にしている?

「それなりに大きな金額が手元にあり、預貯金に置いておいても仕方がない。インフレも気になるし投資に使った方がいいのでは?」と考えることもあるかと思います。

そして投資という言葉が出てくると、最近話題に上がることの多い『インフレ』という言葉も気になってくる。

「金融商品が値動きして損をするのは嫌」、なおかつ「インフレ対策にもなる投資先」という選択肢が理想という人もいる。

ですが、そんな都合がいいものはこの世界にはないと思った方がいいでしょう。

実際、期待の個人向け国債も、インフレ対策としては役不足。

たとえば、現在の消費者物価指数(CPI)の上昇率は前年同月比2.7%の上昇(2025年8月)、個人向け国債10年の金利1.06(2025年9月)では、物価上昇に追いつくことができません。

この場合、得られる金利よりも通貨の価値下落の方が大きくなり、実質的には資産が目減りしていることになります。

結論から言うと、現在の個人向け国債は、インフレ対策としてはあまり価値がありません。

何を重視するかを考えよう!

金融商品の中に、「安全性」「収益性」「流動性」のすべてでパーフェクトという商品はありえない。と考えるのは、金融リテラシーの基本中の基本です。

「どこを犠牲にして、何を得たいのか」を考えることが大切です。

個人向け国債なら、インフレ率以下の「収益性」の部分を犠牲にし、「安全性」を得るのが目的ということです。

ただ個人向け国債の凄いところは、非常に高い「安全性」を持ちながら、「流動性」をほとんど犠牲にしていないところです。そういう意味では規格外の性能をもつ商品だと言えなくもありません。

最後に残る選択肢は、『分散投資』しかないと思う

高い安全性、それなりの収益性、いざという時にはすぐに現金化できる流動性、そのすべてを兼ね備える商品を一つ見つけるというのは、ほぼ不可能でしょう。

でも何とかして、できる限りすべてを満たすようにしたいのだとしたら、結局『分散投資』しかないと思います。

『分散投資』は、金融の世界の唯一のフリーランチと呼ばれることもあり、リスクとリターンのバランスを取る方法として、有効な方法だと考えられています。

安全性や収益性、流動性のメリットとデメリットを測りながら、複数の商品に分散して投資をして管理する。

ただ問題としては、「そのリスクを管理できるだけの知識やノウハウがあるのかどうか?」が挙げられます。

そして、おそらく多くの方が、そのノウハウを持ち合わせていないのではないかとも感じています。

つまりは、基本的な金融リテラシーの不足です。

株式投資で大きなリターンを得るような、高度な金融リテラシーばかりが注目を集める傾向がありますが、実際には、そのような当たり前とも言える金融リテラシーこそが、よりよくお金と付き合っていくためには必要なのだと思います。

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