投資・資産運用の相談では、『儲かるそうな商品』を提案するより、『儲かりそうな方法』を伝えたい。

コラム他

『儲かりそうな商品』か、それとも『儲かりそうな方法』か。

「この投資信託は、今後の経済の中心になる話題のテーマに投資をしています。これから大きく伸びることが期待できます。」

世間を見ていると、ほとんどのファイナンシャルプランナーなどの資産運用のアドバイザーが行っている相談サービスは、『儲かりそうな商品』を提案することだと感じています。

結論から言えば、『儲かりそう』が一緒なら、『商品』であっても『方法』であっても、同じことではないかと思うのかもしれません。むしろ、「いちいち面倒な説明や理論など省いてしまって、儲かりそうな商品を提案してもらえた方がいい。(結論だけ教えてくれ。)」という人もいるのかもしれません。

しかし、投資と資産運用の世界では、そういう「『商品』だけを知りたいと思っている人のほとんどが儲かっていない。」というのが現実です。

なぜ、『商品』を知るだけでは、儲けることが出来ないのか。

その理由は簡単です。儲かりそうな商品、もしくは本当に儲かるであろう商品を知っていることと、「その人がその商品を使って本当に儲けられるのか?」は、別問題だからです。

かつて、マゼランファンドという伝説とまで言われた投資信託がありました。著名投資家のピーター・リンチが運用し、その運用資産額は、ピーター・リンチが運用した13年間で、運用資産が1,800万ドルから140億ドルの規模にまで増加しました。

運用成績は、当時の市場平均を大きく上回る、年率平均29.2%だったと言います。年率29%で13年間運用すると、複利では投資元本がおよそ27倍になる計算です。

「こんな素晴らしい投資信託に投資をしていたら、そうとう儲けることが出来たはず。」と思いませんか。

しかし、実際にこの当時このマゼランファンドに投資をした人のほとんどが、そんなに儲かってはいなかったと言われています。

なぜこんなにも素晴らしい商品だったのに、実際の投資家たちは儲けることが出来なかったのか。その理由は、先に言った通り、儲かりそうな商品と実際に儲かるかどうかは別問題というところにあります。

結局儲かりそうな商品を選べても、それを最も儲かったはずの期間ずっと保有し続けるのは、難しいということです。過去を見るといくら素晴らしい成績だったとしても、この伝説のマゼランファンドでさえ、時には市場平均よりもパフォーマンスが悪い時が来ます。そして一般の投資家たちは、こういうパフォーマンスの悪い時期に、「マゼランファンドも運が尽きたか?」などと考えて手放してしまいます。

成績が良くなったり悪くなったりするものを、ましてやとても大切な自分のお金をそれに賭けるとなると、その商品を信じて長期で保有するということがいかに難しいことか、経験のある人ならきっとその厳しさがわかるはずです。

結果、実際にマゼランファンドに投資していた人のほとんどが、マゼランファンドの見た目の運用成績ほどには儲かってはいない、ということになってしまっているわけです。

つまり、仮に運よく儲かりそうな商品を見つけることができたとしても、その商品で本当に儲けることが出来るかどうかは、その商品の良し悪しではなく、その商品に投資をする”個人の力量”によるところの方がずっと大きいということです。

『儲かりそうな商品』よりも『儲かりそうな方法』を学ばなければならない。

「儲かりそうな商品を見つけても、個人の力量がそれについていけなければ、結局儲けることはできない。」というのが投資と資産運用の世界です。

つまりは、自分自身に「投資の力」を身につけることこそが、良い商品かどうかを検討することよりも先に考えなければいけないことなのです。

それなのに、日本の資産運用アドバイザーの多くは、相談者の投資の力量よりも、商品の良し悪しに注目していることの方が多い。「貯蓄から投資へ」などと投資を薦めている政府であっても、個人の投資の力量を上げることよりも、インデックスファンドなどの商品ありきで話が進んでいるように感じます。

なぜそうなってしまうのか。それは資産運用のアドバイザーのほとんどの仕事が、資産運用の商品を販売することが目的だからです。

いい商品だと思わせて買ってさえ貰えれば、それで自分の営業収益にはなるのであとはファンドにお任せ。中には、上手に説明して、商品を売ることはできても、運用することに関してはほとんど素人同然という人も中にはいる。

「いい商品を並べることが一番で、素人同然の運用ノウハウで買った後もアドバイスをします。」という事になっている可能性も高い。

本当にそれでいいのだろうか、たとえ平均値だと言われるインデックスファンドであっても、蓋を開けたら結局マゼランファンドと同じようなことになってはしまわないだろうか。

だからこそ、FPofficeあせっとびるだーずでは、『独立系』として、忖度のない資産運用のアドバイスをしていくことに意味があるのではないかと思っています。

投資に本当に必要なことは、『商品』ではなく、『方法』です。

極端な話をするなら、本物の投資のプロたちは、投資先が何かはさほど問題ではなく、その投資先の中で勝てる方法を駆使して儲けることができる。つまりは、良い商品を探すことではなく、勝てる『方法』を身につけているのだと感じています。

そのためにも商品を提示するのではなく、投資する者が、リスクを学び、リスクをコントロールする術を身につけ、賢く運用できるようになることを目的としたFPサービスでありたいと思っています。

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